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西部劇のように



先日久しぶりに映画館で西部劇を見ました。昔観た「荒野の七人」のリメイクで「マグニフィセントセブン」です。たくさんの馬を見ることができました。
日本でのウェスタン乗馬の始まりに西部劇がかなりの影響を及ぼしていると思われます。50年代から60年代映画やテレビドラマで西部劇が全盛だった頃、それまで主流であった馬術に励んでいた皆さんがスクリーンを駆け回るカウボーイやネイティブアメリカンの姿に感化されたのがウェスタン乗馬の始まりだったのではないでしょうか。実際に私が乗り始めた35年前でもお手本は西部劇でした。しかし、残念ながら鞍や馬銜、テンガロンハットにブーツ等道具は手に入るのですが、馬の調教や乗り方まではよく分かりません。そして格好はウェスタン、乗り方はブリティッシュみたいな過渡期があって徐々に本格的なウェスタンへと変わってきたと思われます。今では当時と違いYouTubeで検索すればありとあらゆる調教を動画で見ることができ、馬具やブーツなど全ての必要なものはアメリカよりネット通販で求められます。当時よりも格安で。私には今見る西部劇はお手本ではなく、自分も一緒に駆け回っているかのごとく観ることができるようになりました。機会があれば西部劇をご覧ください。特に昔のCGや特撮等がない時代の西部劇には とても真似できるレベルではない 凄いスタントを観ることができます。ストーリーはほとんど勧善懲悪にちょっとラブストーリーが挟まってめでたしめでたしがお決まりです。西部劇のように格好よく乗ろうが私の乗馬です。

馬は草食動物である

は6月に入りいよいよ本格的に青草のみで元気に過ごしております。

近在の休耕地や空き地、田畑の土手草、道路端の雑草など毎日軽トラックに満載三台分刈集めます。朝から延々と食べ続け皆満足げです。本来の草食動物に戻ったようで、美味そうに草を食べているところはゆったりとした気分にさせてくれます。馬達も食べ続けられるほうが落ち着くようですよ。この辺りでは10月まで新鮮な青草で飼い続けられます。青草で飼うとお腹がぽっこりし体毛が艶々となり、いかにも健康な状態に見えます。きっと栄養のバランスが最適なのでしょうね。そのほかにも常に青草を食べているので、外乗中の道草が激減します。道草させないための労力が省けるので非力な女性やお子さんには良いと思います。また、草刈の労力さえ惜しまなければ、餌代の節約にもなります。草を刈った後に馬糞堆肥を散布すれば無駄のない循環が可能です。現在は堆肥の15パーセント位を牧草地へ還元していますが、将来的は100パーセントに近づけたいですね。

とても良いことばかりの青草での飼養管理ですが、注意しなければならないことがあります。乾草から青草に徐々に切り替えないと消化不良を起こします。様子を見ながら少しずつ青草の割引を増やします。一週間くらいで青草のみとします。


新馬調教はおもしろい


今年最初の新馬調教が無事完了しました。家畜商から依頼された3才の牝馬で和種が混じった小さめの馬です。何も知らなかった馬が人間に乗られることを受け入れて、これから乗用馬となるのです。責任重大です。この馬の将来がかかっています。仕上がった馬を馬運車に乗せて頑張れよと送り出しました。
当方での調教は大きく3つに分けられます。一つは今回のような一度も人間に乗られたことがない馬へ鞍付けとハミ、手綱に馴致させ常歩から駈歩まで乗れるまでにする。もう一つは競走馬だったサラブレッドをウェスタンスタイルで乗れるまでに再調教する。さらには、以前に乗用馬として使われていたものの、立ち上がったり、走り出したら止まらないなど問題ありの馬の再調教があります。
どの場合も馬に悪い所はありません。ほとんどはただ馬が知らないだけのことなのです。知ってしまえば問題は解決します。いかに理解させるかが技術です。来週辺りにまた一頭新馬調教の依頼がありそうです。今はこちらで馬をお預かりして調教していますが、将来はこちらから出向いたり、スカイプなどネット経由で遠隔地へアドバイスして調教出来ればなどと考えています。



2015年はどうなる


久しぶりの投稿は新しい年となりました。と言っても馬飼は年中無休、季節が移り変わるだけでクリスマスもお正月も有りません。もちろん馬たちも何が有ろうと変わりなし。人間だけが時間に区切りを作って生きています。馬を含めた人間以外の動物にはカレンダーや時計はありません。時間に振り回されている人間は疲れてしまいますよね。本来はもっとゆったりと過ごさなければいけないのかも。1日中ストーブの横で眠り続ける猫のように。そして今年も変わらず馬、犬、猫、うさぎと一緒に時間に追われて過ごします。
今年も新馬の調教が4、5頭あります。去年11月に入った問題ありの8才牝馬の調教など調教の技術向上を目指します。もう一つは人工授精による繁殖を試みます。ハフリンガーのサラにハフリンガーの凍結精子で授精させる予定です。牛と違って確率が低くく成功するかどうか。さらに小規模な乗馬施設の運営のサポートなども2、3件ありそうです。最後にこれが一番大変になりそうな、人材の確保ができればと思っています。本当の馬の怖さと楽しさを伝えたいのですが、知りたいと思う若者が現れません。今年こそは現れて欲しいなあ。


楽しい乗馬を目指して

楽しく乗馬するためにはそれを実現するための馬が必要です。当たり前と言えば当たり前です。ではどんな馬でも良いかと言えば、そういう訳にはいきませ。特に初心者から中級者までの方にはしっかりコントロールできる馬が必要です。手綱を引いても止まらない、曲がらない、蹴っても進まないような馬では練習になりません。馬上でのバランスと馬との駆け引きがわかってくれば少しずつコントロールの難しい馬へと進めていきます。我々指導する者にとってもコントロールできる馬に乗っていただいた方が断然指導しやすいのです。インストラクターの指示に従っていればしっかり動かすことができる状況であれば、上手く動かせない時には騎乗者に問題があると判断できます。ところが指示に従っても上手く動かせない状況が繰り返されるようであれば馬に問題がある可能性が考えられます。もう一つはインストラクターに問題があるかもしれません。このあたりの判断は初中級者には難しいところです。
楽しい乗馬、よい練習ができるには、まず良い馬を作ることが重要です。馬は長年使っているうちに自然に良くなってくる訳ではありません。良くなるように調教せねばならないのです。自動車で言えば、整備が行き届いた状態で乗らなければ楽しくドライブ出来ません。我々は楽しく乗馬ができるように調教に励まなければなりません。大変な作業なのですが、自分の調教した馬で楽しそうに乗馬されている様子を見るともっと良い馬を作らなければと思います。良い馬で良い練習を重ねることが乗馬の上達の近道なのです。

危うさと楽しさの狭間で

最近、レッスン・外乗共に駈歩を希望される方が増えてきました。
人間の感覚はとてもいい加減でほとんどが相対的に感じているように思えます。乗馬を始めて間もない頃は常歩だけでも緊張していたのが、速歩を知ると常歩での緊張感はぐんと軽減します。更に駈歩を知ると速歩の緊張感も和らぎます。どんなことも初めては緊張します。少しずつ慣れていき、更に強い刺激が加わるともはや緊張感は消えてもう現れません。乗馬の場合早く慣れて、緊張しないようになりたいと練習します。しかし慣れてしまい緊張感が薄れると多分つまらなくなってしまうでしょう。反対に緊張感が強過ぎると怖くて楽しむことが出来ません。いつも危うさと隣り合わせの程良い緊張感がいつまでも乗馬が楽しいと思わせる理由ではないでしょうか。絶対に安全ならば遊園地の乗り物みたいに数回乗れば飽きてしまうでしょう。初心者には初心者の、上級者には上級者のレベルに合わせた緊張感がいつまで経っても消えません。駈歩は緊張感と爽快感、楽しいですよね。

蹄は鍛えられない

外乗の途中でお客さんから「蹄は外乗に出ると少しずつ強くなってきますか。」と質問されました。15年前、5頭のサラブレッドで始めた当時は外乗でガンガン使えばどんどん蹄は硬くて強くなると思っていました。ところがその後、装蹄師さんに蹄は鍛えられないのですよと教えてもらいました。それまで外乗には向かないと思われていた元競走馬を再調教して外乗馬として使えるようになったのに、どうやら蹄だけはどうにもならないようです。和種や中間種にはかなわないのです。そしてこから更に蹄の弱いサラブレッドが増えそうです。ディープインパクトの薄い蹄の遺伝子が広がっていくと思われます。まあ外乗にサラブレッドを使わなければ問題はないのですが。とりあえずは装蹄師さんにお任せしながら成り行きを見守るより仕方無さそうです。装蹄の技術が弱い蹄を残すように医療技術が人間を弱くしてしまっているのではと。

疝痛になったドラゴン

一昨日ドラゴンが疝痛になりました。疝痛とは胃腸にトラブルが発生し腹痛をおこすことを言います。最悪は死に至ることもある注意しなければならない怖い病気です。当ファームでは年間に5頭位が疝痛になります。しかしこれまで獣医さんに診てもらったのは一度だけで、ほとんどは早期発見で事なきとなります。さて今回のドラゴンの場合は夕方の放牧前までは普段と変わらずのんびり草を食べていました。約1時間半の放牧後、馬房へ戻そうと馬場に目を向けると雨でぬかるんだ地面に仰向けにゴロゴロと寝っころがっています。場所を変え何度も繰り返します。馬房へ戻しても普段なら直ぐ草を食べに行くところが見向きもせずただゴロゴロするばかり。間違いなく疝痛と思えたので、直ぐに引き運動です。動かすことによって胃腸の動きを助けることが出来ます。馬場では寝たがるので道路を引いて歩きます。さすがにアスファルトの上には寝たがりません。300メートルほど歩いたところでボロが出ました。便秘から来る疝痛であればボロさえ出れば回復したと見ることが出来ます。通常であれば直ぐに餌を食べはじめます。とりあえず引き返し馬房に戻すも様子は変わりませ。また引き出して陽も沈んで暗くなった道路を約30分、ようやく道端の草をしょぼしょぼ食べるようになりました。そのまま連れ帰ると草を食べはじめます。これで一安心です。しばらくするとボロを水で溶かしたような下利便がどっと出て、その後は普段のドラゴンに戻ったのです。消化不良をおこしていたようです。このようにほとんど飼付けの時の食べる様子で発見し、直ぐに軽い運動で対処します。毎日の観察が深刻な疝痛にさせないポイントになります。人間も馬も健康が一番です。

外乗で癒される

ここ蓼科は八ヶ岳をはじめとする山々に囲まれた大変豊かな自然を感じることのできる所です。木立の中をゆったりと巡る外乗で癒される方が増えてきました。特に女性の方々です。都会の生活では有り得ない自然や空気感、乗馬という非日常の緊張とゆったりとしたリズムが全身をリフレッシュさせてくれます。このような感覚は他のことではなかなか味わえないものです。また、楽しく乗馬できると活力がわいてきます。物事を前向きに考えられるようになりすっきりした気分になれます。なので外乗から戻ってくると皆さん元気ハツラツとなられるようです。我々も乗馬を楽しまれた皆さんの笑顔に元気をいただいております。

子供みたいに乗馬しよう


夏休みに入ると小中学生のお子さん連れのご家族が増えてきます。小学1、2年生の小さな体で大きなサラブレッドを乗りこなしているのを見ると、子供って凄いぞと思います。また子供に従っている馬たちも凄いぞと思います。大人よりも速く馴れてしまいます。子供は夢中になると怖さが薄れるようですが、大人はいつまでも危険を感じているようです。怖さがあると、どうしても体に力が入ります。力が入ると体が動かなくなりバランスが取れなくなります。そもそも大人の方が体が硬いのです。もう一つは、子供に遠慮はありません。足で強く蹴ることも、強く手綱を引くことも遠慮はありません。大人は強く蹴ったら暴れないだろうか、突っ走らないだろうかなど心配して強く蹴ることが出来ません。遠慮して手も足も出せないところを見せてしまうと馬たちは従わなくなってきます。乗馬上達の近道は子供みたいに夢中で楽しみながら遠慮しないで乗ることのようです。




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