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アニマルウェルフェアについて

先日テレビで家畜のアニマルウェルフェアが紹介されていました。ざっくり言えばお肉になってしまう牛や豚や鶏なども生きている間はストレスのないように飼いましょうということがアニマルウェルフェアの概念です。どうせお肉になるのだからどんな扱いをしても良いのではないと言うことです。日本での取り組みは遅れているようです。多分、動物のことよりも生産効率が重視されているからでしょう。ただ番組でも紹介されていたのですがアニマルウェルフェアに従って育てられたお肉の方が美味しくなるそうです。割高になっても快適に育った美味しいお肉の方が求められれば普及すると思われます。
そして家畜以外にも展示動物、愛玩動物、実験動物などにもアニマルウェルフェアは適用されます。もちろん馬にも。私は今回初めてテレビでアニマルウェルフェアを知りました。 そこで馬に関する資料はないかとネットを探すと日本馬事協会が出している 「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」を見つけました。読んで見たところ気になったことが3つありました。1つは粗飼料の不断給餌について。もう1つは馬同士の交流。残りは馬の観察は少なくとも1日1回というところ。蓼科乗馬ファームでは春から秋にかけて餌は青草で飼っています。朝から不断給餌になります。たくさん食べますが生の草のほとんどは水分です。ところが乾草で不断給餌となると生の草の何倍も食べることになるので1日の必要量を何度かに分けて与えることとなります。食べられない時間帯はストレスとなります。ほとんどの乗馬施設では不断給餌は難しいでしょう。当方も青草が終わる晩秋から次の春までは不断給餌とはなりません。その次の馬同士の交流となると更に難しいと思われます。自由に接触できる状態で複数の馬を放すと最初は噛んだり、蹴ったり、追いかけ回したりと激しく当たります。少しずつ収まるのですが、運が悪いと怪我や故障など痛めてしまうことがあります。この事からほとんどの乗馬施設では馬同士の自由な接触はさせないようにしています。交流の無い馬同士は人間が乗っている時にも噛んだり、蹴ったりしようとします。それが出来ないようにように馬間をあけて接触できないようにすればもっとストレスになりそうで悩ましいところです。当方では一緒に使う馬たちは全頭同時に馬場へ放します。蹴ったり噛んだりして痛めることもあるのですが、お客さんが乗っている時にそのようなことが起こらないために放牧は不可欠です。馬同士が痛まないで上手く交流できる方法を見つけたいものです。最後は馬の観察は最低でも1日1回ということですが、私は朝夕2回としています。それは疝痛の早期発見のためです。早い段階で発見し直ぐに運動させ内蔵を動かすことでほとんどは解決します。当方では17年間で疝痛で獣医さんにお願いしたのは1頭だけです。発見の早さがポイントですから、朝夕2回のチェックに見直していただきたいです。アニマルウェルフェアは知らなかったですが飼っている間は大切にするのは当然のことですよね。その上で人間が考える快適さと馬が感じる快適さは同じではないことも考慮せねばなりません。きれいに洗った後馬場へ放すと寝転んですぐに汚してしまいます。馬はきれいになったとは思っていないのか、汚れても寝転びたいのかいずれにしてもきれいになって良かったわけではなさそうです。

締めくくりは馬も人間もストレスにならない飼養管理を目指しましょうということですね。
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